自己紹介

勤務歴・勤務関連履歴

平成17年4月以降継続中

国立大学法人 東京学芸大学 学務部 学務課

国立大学法人 東京学芸大学|令和8年4月で22年目

教務とも言われる、学生生活のうち授業や履修を扱う部署に所属しています。

令和7年11月

永年勤続表彰

国立大学法人 東京学芸大学

永年勤続とは、ここでは20年間勤務経験者を労っての表彰です。

令和5年6月

大学入試センター・アドミッションリーダー研修

独立行政法人 大学入試センター|6月15日〜16日、合計10時間

「現場の実践から学ぶ障害のある受験生への合理的配慮の実施」

平成27年11月

障害学生支援実務者育成研修会「応用プログラム」

独立行政法人 日本学生支援機構

講義・演習形式のカリキュラムにより、障害学生支援の実務者を育成。教職員個々の専門的知識の向上や実践面の向上を図る。

平成26年8月

障害学生支援実務者育成研修会「基礎プログラム」

独立行政法人 日本学生支援機構

講義・演習形式のカリキュラムにより、障害学生支援の実務者を育成。基本的な知識の習得や対応の向上等を図る。

平成20年10月

西東京地区中堅職員研修

主管:国立国語研究所|平成20年10月

第15回に参加。

平成17年6月

西東京地区初任職員研修

主管:東京学芸大学|平成17年6月

第29回に参加。

学修歴・教育訓練履歴

令和5年8月

キャリアコンサルタント養成講習修了

地域連携プラットフォーム|令和5年5月〜令和5年8月

キャリアコンサルタントは厚生労働省所管の国家資格(名称独占)で、資格取得には、厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了などが必要。

平成27年3月

放送大学大学院文化科学研究科(修士課程)修士科目生

放送大学大学院|平成26年10月〜平成27年3月

生活健康科学プログラム「スポーツ・健康科学(’09)」2単位

平成24年3月

日本福祉大学 大学院社会福祉学研究科 社会福祉学専攻 博士前期課程(通信教育)

日本福祉大学 大学院|平成18年4月〜平成24年3月

自身の生活の質向上及び業務に関連する知識獲得のため進学し、6年間(休学1年含む)在学して修了。

平成16年3月

東京学芸大学 教育学部人間科学課程(N類)生涯スポーツ専攻 コミュニティスポーツ選修

東京学芸大学 教育学部|平成9年4月〜平成16年3月

教員免許状取得は選択制で、生涯にわたってスポーツに親しむ生活を目指す学科。在学中に受傷し、7年間(1年半休学)在学。陸上競技部に所属を続け、卒業まで関わった。

平成9年3月

埼玉県立春日部東高等学校全日制 人文科

埼玉県立春日部東高等学校|平成6年4月〜平成9年3月

人文科一期生。1年目から文系に特化したカリキュラムで、国語は週に8〜10時間。陸上競技部にてハンマー投げを中心に競技していた。

免許・資格一覧

令和7年9月

紺綬褒章

内閣府 賞勲局

紺綬褒章は、公益のために私財(個人は500万円以上、団体は1,000万円以上)を寄附した者に授与される。

令和6年9月

社会福祉士演習分野担当教員講習

一般社団法人 日本ソーシャルワーク教育学校連盟

厚生労働省令に定められた社会福祉士の養成課程における演習科目担当教員の要件を満たすための認定講習会。

令和6年9月

社会福祉士実習分野担当教員講習

一般社団法人 日本ソーシャルワーク教育学校連盟

厚生労働省令に定められた社会福祉士の養成課程における実習科目担当教員の要件を満たすための認定講習会。

令和6年9月

キャリアコンサルタント

特定非営利活動法人 キャリアコンサルティング協議会

2016年4月に職業能力開発促進法に規定された国家資格(名称独占)。第26回試験合格(合格率:56.7%)。学生・求職者・在職者等を対象に職業選択や能力開発に関する相談・助言を行う。ジョブカード作成アドバイザーでもある。

令和6年2月

両立支援コーディネーター基礎研修

独立行政法人 労働者健康安全機構

治療と仕事の両立を図るため、患者・家族、医療側、企業側の3者間の情報共有を支援する。

令和5年12月

食品衛生責任者

一般社団法人 東京都食品衛生協会

東京都知事が食品衛生法に基づき適正と認める養成講習会の課程を修了。

令和5年4月

公認スタートコーチ

日本スポーツ協会

地域スポーツクラブ・スポーツ少年団・学校運動部活動等において、安全で効果的な活動を提供するための資格。

令和5年3月

社会福祉士

公益財団法人 社会福祉振興・試験センター

「社会福祉士及び介護福祉士法」に基づく国家資格。福祉の相談援助に関する高度な専門知識・技術を有し、福祉や医療の相談援助の場において役割を担う。

平成17年11月

福祉用具専門相談員

厚生労働大臣指定 三幸福祉カレッジ

介護保険の指定を受けた福祉用具貸与・販売事業所に2名以上の配置が義務付けられている専門職。利用者の心身の状況や生活環境に適した福祉用具の選定を支援する。

平成17年9月

中学校教諭二種免許状(保健)

埼玉県教育委員会

平成17年度の中学校保健の発行件数は659件。二種免許状は一種免許状へ上進する努力義務がある。

平成17年7月

福祉住環境コーディネーター検定 2級

東京商工会議所

高齢者や障がい者に対して住みやすい住環境を提案するアドバイザー資格。第14回:受験者数30,486名、合格者数13,585名、合格率44.6%。

平成16年11月

福祉住環境コーディネーター検定 3級

東京商工会議所

高齢者や障がい者に対して住みやすい住環境を提案するアドバイザー資格。第13回:受験者数27,031名、合格者数13,621名、合格率50.4%。

平成16年3月

高等学校教諭一種免許状(保健体育)

東京都教育委員会

高等学校の教壇に立つことができる免許。平成15年度の高等学校保健体育の発行件数は6,405件。

平成16年3月

中学校教諭一種免許状(保健体育)

東京都教育委員会

中学校の教壇に立つことができる免許。平成15年度の中学校保健体育(二種除く)の発行件数は6,085件。

自身の障害と生活について

1.

はじめに:高位頸髄損傷(C4レベル)

 高位頸髄損傷(こういけいずいそんしょう)とは、頸椎(首の骨)の高位で脊髄を損傷した状態を指します。損傷にはいわゆる完全損傷と不全損傷(一部残存機能が残ること)があるものの、以降は完全損傷が前提で記しています。  脊髄は脳からの命令を全身に伝え、全身からの情報を脳に送る重要な経路ですが、高い位置で損傷されるほど、麻痺の範囲が広くなり、生命維持に関わる機能への影響が大きくなります。このことから、かつて頸髄損傷は、生命予後すら極めて不良とされた時代もありましたが、現代においては医学的・社会的リハビリテーションの進歩、そして福祉制度の充実により、重度の障害を抱えながらも在宅生活や社会参加を実現している障害当事者が多く存在するようになっています。

2.

C4頸髄損傷の解剖学的・生理的特徴と呼吸機能

 頸髄は第1から第8(C1〜C8)までの髄節に分かれており、C4レベル(医学的には重度四肢麻痺とも呼ばれる)とは、第4頸椎の高さで神経伝達が遮断された状態を指します。C4レベルにおいて最も予後を左右する横隔膜神経(横隔膜を支配する)は、主に第3〜第5頸髄(C3〜C5)から出ています。このレベルの損傷では、横隔膜神経の一部が機能するため、多くの場合で人工呼吸器からの離脱、すなわち自力呼吸が可能になると言われています。ただし、深呼吸や強い咳き込みをするための呼気筋(腹筋群や肋間筋など)は胸髄支配であるため機能せず、通常の胸式呼吸も妨げられることから、呼吸・排痰機能は極めて限定的なものにとどまります。

3.

残存する機能と失われる機能

 C4レベルにおける身体機能は、残存する「首から上」の機能と、失われる「鎖骨から下」の機能に大きく二分されます。 (1) 残存する運動・知覚機能(できること) 頭頸部の運動: 首を前後左右に振る、回すといった動作は保持されます。 肩の挙上: 僧帽筋の機能により、肩をすくめる上下の動きが可能です。 脳神経支配領域の機能: 発話、咀嚼、嚥下、視線の移動などは保持されます。 知覚領域: 首の付け根、鎖骨の上あたりまでは正常な感覚が残ります。 (2) 失われる運動・知覚機能(できないこと) 上肢・手指の運動麻痺: 肩から先、肘や手指の関節における屈曲・伸展などの上肢機能、鎖骨部から下にある腹筋・背筋などの体幹部や下肢の筋群は一切機能しません。その結果、寝返り、起き上がり、座位保持、歩行などの動作は困難となります。 完全な感覚消失: 鎖骨より下、腕全体、体幹、下肢にいたる全身の触覚、痛覚、温度感覚などが完全に失われます。

4.

日常生活の実態

 C4レベルにおける生活は、日常生活動作(ADL)のほぼすべての場面において、常時介護、あるいは環境的なサポートに依存せざるを得ない現実があります。 (1) 食事・更衣・入浴・排泄における人的ケア 食事動作: 咀嚼や嚥下機能は維持されていることから普通食を口から摂取できますが、自力で食器(スプーンなど)を持つことは困難です。そのため、自助具と呼ばれる福祉機器や介護者による食事介助が必要です。水分補給に関しても、ストロー付きボトルを用意するなどの工夫が求められます。 更衣と清潔保持: 着替え、歯磨き、洗顔、入浴など、すべて全介助となります。 排泄管理: 神経因性膀胱および直腸肛門機能障害のため、尿意や便意を正常に感じることが難しく、自力での排泄コントロールは困難です。 (2) 移動の確保とテクノロジーによる拡張  自走車椅子の操作は困難です。しかし、特殊なインターフェース(顎で操作する「チンコントロール」や視線入力など)を備えた電動車椅子を導入することにより、他者に頼ることなく自らの意志で移動する自由が担保され、活動範囲は広がります。

5.

注意すべき合併症と徹底的な健康管理

 身体の異常を「痛み」として察知しにくく、24時間レベルの管理が必要となります。 (1) 自律神経過反射(Autonomic Dysreflexia)  C6以上の頸髄損傷において警戒すべき急性症状の一つで、麻痺域(特に膀胱の過充満や便秘、皮膚の圧迫など)への刺激がトリガーとなり、交感神経系が過剰に興奮して血圧が急上昇します。激しい頭痛、発汗、徐脈、顔面紅潮などを引き起こすことから、迅速な原因除去ができるよう介護者へ伝達しなければなりません。 (2) 呼吸器合併症(肺炎・無気肺)  自力で痰を排出する力が著しく低下しています。痰が詰まることで無気肺を来し、容易に肺炎へと進展するため、定期的な排痰ケアが欠かせません。 (3) 褥瘡(床ずれ)  痛みを感じず、自力での寝返りや体位変換ができないため、同一部位の持続的な圧迫によって皮膚組織が壊死します。ベッド上での除圧機能の高いエアマットレスの使用や、車椅子乗車中の定期的なティルト(TILT:車椅子の座角変更)による除圧が重要となります。数時間の油断が、完治に数ヶ月を要する褥瘡を招くため、徹底した管理が必要です。 (4) 体温調節障害  発汗による体温調節や血管の収縮反射が麻痺しているため、外気温の影響をダイレクトに受けます。夏場の熱中症(うつ熱)や冬場の低体温症のリスクが極めて高いため、エアコンによる適切な室温管理と環境調整が必要となります。

6.

心理的課題:依存から自律へ

 「人に頼まなければ、水一杯すら飲むことができない」と言う身体的依存状態は、受傷直後の本人に強い無力感や絶望感をもたらすことがあります。しかし、一人暮らしなどの地域自立生活へと向かうためには、心理的なコペルニクス的転回が必要となります。 (1) 介護をコーディネートする能力  「手が動かない=何もできない」わけではありません。自立の本質を「必要なサポートを主体的に管理すること」と捉え、介護者に対して自分の希望するケアを的確な言葉で伝達し、自分の生活を主体的にマネジメントする能力(自己決定権)を養うことが、心の健康と自尊心を保つ鍵となります。 (2) 家族の役割の限界とプロの介護の導入  24時間365日の介護を当事者家族だけで担うことは、精神的・肉体的な共倒れを確実に招きます。現代の自立生活運動においては、家族を「介護の担い手」にするのではなく、良き「理解者・パートナー」として関係性を保つために、介護保険制度や障害福祉制度(重度訪問介護など)をフル活用して「プロの手による介護」を生活の基盤に据えることが推奨されています。

7.

社会保障制度による地域生活の基盤

 「手が動かない=何もできない」という時代は終わり、現代における障害当事者の暮らしは、介護保険制度をはじめとする日本の社会保障制度によって保障されています。 (1) 介護保険制度  介護保険制度は、「高齢者の介護を社会全体で支え合う」ことを目的に2000年に始まった公的保険制度です。40歳以上になると国民全員が加入して保険料を納め、実際に介護が必要になったときに福祉制度の前に、必要な介護サービスを少ない自己負担(原則1〜3割)で利用できる仕組みです。ただし、原因を問わず、日常生活に支援や介護が必要になったときの第1号被保険者は、65歳以上。「16種類の特定疾病」が原因で介護が必要になったときの第2号被保険者は、40歳以上にならないと利用できないと言う条件があります。 (2) 重度訪問介護  障害当事者が一人暮らしを実現するための最大の命綱が、障害者総合支援法に基づく「重度訪問介護」です。この制度は、重度四肢麻痺等により常時介護を要する障害当事者(利用者)に対し、居宅での入浴・排泄・食事の介助から、外出時の移動支援までを包括的に提供するものです。実態調査(2020年)によると、多くの利用者がこの障害福祉サービスを主たる介助資源として利用し、地域生活を組み立てています。 (3) 公的所得保障  生計を支えるベースとなるのが国や自治体からの所得保障制度です。支給では各種「障害者手当」や「障害年金」など。控除では所得税や都民税・市民税などの障害者控除。補助では多額のコストがかかるオーダーメイドの電動車椅子や座位を安定させる体幹保持装置などが適用可能です。ただしこれらの制度には、障害者手帳を有することと言う条件が付くことが多いです。

8.

バリアフリーに向けて

(1) 物理的バリアフリー:  地域で持続可能な自立生活を営むためには、出かけた先はもちろん、居室内における生活環境についても整備が求められます。例えば、通路幅の確保や段差解消(スロープ設置)はもちろん、車椅子の高さに合わせたテーブルや洗面台の設置、介護者が安全かつスムーズに移乗・清拭を行えるスペースの確保など、個別性の高い住宅整備が求められます。加えて介護機器・福祉機器と呼ばれる機器の導入を積極的に行なうことにより生活の質(QOL)は向上し、介護者の負担はグッと下がります。 (2) 情報的バリアフリー:最新ICT・IoT技術と環境制御装置(ECS)  近年は特に、以下の技術に注目が集まっています。 音声操作・スマートホーム技術: スマートスピーカーやスマートフォンと家電を連携させることにより、「電気をつけて」「エアコンを26度にして」といった音声指示で自室の環境をコントロールできます。また、ECS(環境制御装置:呼吸などに反応する特殊スイッチ)でも、同様の操作が可能となります。

9.

社会参加への挑戦

 かつて障害者の就労といえば、福祉的な作業所での活動が中心と言われました。しかし、実態調査(2020年)では、民間企業やNPO法人・当事者団体等での就労を果たし、何らかの形で経済的自立を目指すケースが全体の3割を超え、増加傾向にあります。 (1) 新しい就労形態:在宅勤務(テレワーク)とDX化の推進  この背景には、企業の法定雇用率遵守の動きもありますが、近年のデジタルトランスフォーメーション(DX)の進展やテレワークの普及は、通勤や物理的作業が困難な当事者にとって大きな福音となっています。具体的な職種で言うとWebデザイン、ライティング、プログラミング、デスクワークなどの職種において、障害を抱えながらも社会復帰を果たし、社会に必要な存在として活躍する事例が多く生まれています。 (2) 楽しむ権利とピアサポート  社会参加は就労だけにとどまりません。インターネットを駆使した情報発信や、公共交通機関の合理的配慮を利用した旅行・外出、さらにはリハビリテーションスポーツへの参加など、余暇活動を楽しむことは人間の基本的権利です。また、地域に生きる同じ境遇の仲間と繋がり、お互いの悩みや生活の工夫を共有し合う「ピアカウンセリング」や「情報交換会」の活動は、孤独感を解消し、生きるモチベーションを高めるために重要な役割を果たしています。

10.

命を繋ぐ災害対策:「電源」の重要性

 激甚化する自然災害や大規模な震災の経験から、被災・避難への備えは文字通り命に直結する最重要課題として浮き彫りになっています。自力での移動が困難なだけでなく、体温調節障害を抱え、場合によっては電動ベッド、電動車椅子の充電を必要とする環境において、災害による「停電」は数時間で生命の危機に直結します。実態調査(2020年)でも、被災経験者が最も困窮した点として「停電による電源の確保」が挙げられています。地域で暮らす上では、緊急時の電源供給について自治体や医療機関と事前に連携しておく必要があります。

11.

終わりに

 かつては生命予後すら不良とされたC4レベルの高位頸髄損傷ですが、現代においては、重度訪問介護をはじめとする社会保障制度の充実、スマートホーム等のテクノロジーの進化、そして在宅勤務(テレワーク)に代表される新しい就労のカタチにより、地域における持続可能な自立生活が「制度的・物理的」に保障される時代となりました。しかし、その生活を機能させるためには、当事者自身が「身体的な依存」を肯定しつつ、自らの生活を主体的に動かす「心理的な自律(自己決定権)」へとパラダイムシフトする必要があります。手が動かないからこそ、介護者を的確にマネジメントし、日常のケアから災害対策にいたるまで、自身の命と暮らしをマネジメントしていく能力が問われるます。「手が動かない=何もできない」という過去の常識を覆し、重度障害を抱える当事者が地域社会の多様性を支える一員として主体的に生きる姿は、これからの共生社会における一つのモデルと言えるかもしれません。